週末に茶沢通りを歩いていたら、古い木戸がほんの少し開いていることに気がつきました。何か表札のようなものも掲示されています。

近づいてみると、赤地に白で鮮やかな蓮の花が描かれたパネルに「水とコップ」と書かれた小さな紙が添えられています。

細く開いた隙間から店内を覗くと「どうぞ」と声があったので中へ入ることにしました。
店内は薄明かりの中に絵画やCD、書籍がたくさん並べられています。大きめのボリュームで流れるオールディーズは、まるでかつてここにあった居酒屋「二軒茶屋」の在りし時代を思わせるよう。外の天気があまりにも良かったので、ひんやりとした空気はむしろ心地良く感じられました。

小さなメニューに「コーヒー・紅茶 380円〜」とあったのでコーヒーをお願いすると、ご主人が豆から挽いてくれました。いいんですか、380円なのに……!
聞けばオーナーのお知り合いだそうで、知人の絵画の展示場所として借りたことをきっかけに、1年ほど前から音楽喫茶として営業するようになったのが「コップと水」だということでした。コーヒーや紅茶の他にワインなどのお酒も用意されていて、お昼すぎの13時頃から日がとっぷり落ちた20時頃まで、気ままに営業されているそう。

初めは私も恐る恐る話しかけたのですが、「そんなに商売っ気もないんだけど、こうしてたまにお客さんが来ると楽しくて」とニコニコ話をしてくれるご主人。「入りにくかったでしょう(笑)、でもそれぐらいがちょうどいいんですよ」。良い音楽を大きな音で聴きながら、他愛のない話をしてコーヒーを味わう。380円ではもったいないような、贅沢な時間を過ごすことができました。

入りにくいかもしれませんが、喧騒から離れてちょっと一息つきたいときにはぜひ扉を開いてみてください。







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