色んな経験をし学んだことで、お互いに変化し、疎遠になってしまったとしても、あの時通い合わせた気持ちや一緒に過ごした時間が唯一無二のもので、かけがえのないことには変わりない。
あの時間は無駄だったのだろうかと考えてみても、やっぱりそんなことはない。
あの時間があったから今の自分があって、それはすでに自分の一部なのだ。
誰かとずっと同じ関係を続けることは、時に難しい。
以前とは変わってしまったことが、少しずつ距離が出来てしまうことが、悲しい。
でもやっぱり生きるって、基本は自分一人で歩むものなのだ。
終わりがあれば、始まりがある。
次の場所へ進めることを喜べるようになりたい。
新しい自分を発見することを、変わっていく自分を肯定したい。
新しい出会いと、古い絆。
どちらも大切だから「手のひらから何も零れ落としたくない」というのが本心で、本当は昔と変わってしまったことが悲しいけど、見えない隙間から知らぬ間にぽろぽろと零れるものなのだ。
でもきっと、元通りにはいかなくなってしまっても大切なのならば、壊れていても何年経っても、胸の中に携えているんだろう。
様々な出会いと別れを繰り返しながらも、ずっと変わらず持ち続けている。
古いアルバムをめくるように、たまに取り出して懐かしむ。
先のことは分からないけれど、もしかしたらまたどこかで道が繋がっていて、また別の形で親睦を深めることもあるんだろう。
見た目も価値観も立場も距離感も、あの頃と全く同じではないけれど、それぞれの人生を生きて変わった私たちの中に、昔見かけた「変わらない」を見つけることもあるだろう。
その時、胸がきゅっとするようなほのかな切なさと、胸があたたかくなるような懐かしさを感じるのかも知れない。
変わらないものなんて、この世に1つもないと思っていた。
だって生きているから。
人間も生身だから。
変わらないままではダメになってしまう。
流れない水が腐るように。
でも、どんなに変わっても変わらないものもある。
変わってしまっても続くものもある。
1人だけど1人じゃない。
変わることを恐れずに、変わろう。
置いてきぼりにならないように。
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