下北沢に住みたい人のためのWEBサイト

下北沢の不動産情報と地域情報を随時配信しています。

下北沢の片隅で毎日のように飲んでいた、15年前の話

これはとても個人的な話なのですが、昨日、恩師とも言える大切な友人がこの世を去りました。モリモリと元気に働いていましたが週末に突然倒れ、ものの数日で帰らぬ人となってしまったと聞いています。

15年ほど前でしょうか、別の友人に連れられて下北沢の彼の店に飲みに行ったのが始まりです。さまざまな職業、さまざまな世代の人が入れ替わり立ち替わりやって来て、一緒に飲み食いしながら話をする。それがとにかく面白かった。視野がどんどん広がっていくことにワクワクして、連日連夜せっせと足を運んだものです。

面白いことは待っているだけじゃだめなんだ、会いに行ったり、作ったり、自分からアクションしていけるんだ。それを知った私は、彼のお店でいろいろな人と話をし、彼のお店を借りていろいろなイベントを開きました。私の基礎は、この場所で彼に教わりながら築いていったものだと思っています。

下北沢のその店はずいぶん前に畳んでしまったので今はありません。彼は世田谷区内の別の街で人々が集まる飲食店を経営し、地域の顔となっていきました。下北沢に残った私はやや疎遠になってしまいましたが、次々と新しいアクションを起こす彼の動向に毎度奮い立たされていたのは間違いありません。その指針が、突然なくなってしまいました。

先ほどお通夜に参列してきました。彼に教わったこと、彼の好きなところ、彼の癖、今でもその街にいるようなことしか想像できなくて、二度と会えないという実感がまったく湧かない、というのが正直なところです。

下北沢に戻り、共通の友人が営むバーで飲みました。「信じられない」と言いながら彼の話をし、ちょっとだけ悪態をついて笑い。少しだけ気持ちの整理ができたような気がします。

まだ受け入れたとは言いがたいですが、これからもこうして彼の話を肴に友人たちと下北沢で飲もうと思います。下北沢の片隅で彼がつないでくれた縁は今も私の一部であり、宝物です。須田さん、ありがとうございました。

COMMENT ON FACEBOOK

Return Top